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Photo Archives 100 熊本 [撮影:浜田由美+山田裕貴+南部泰博]

熊本には「街に行く」という言葉が存在する。熊本市の中心市街地に行く事を意味しており、熊本市民のあいだでは一般的に使用される言葉である。この言葉には、過去の出来事をとおして発生する思い出や愛着が端的に表われていると考える。現在、多くの地方都市の中心市街地が活気を失いつつある。そのなかで、熊本市の中心市街地が、他の地方都市の中心市街地に比べて活気を維持していると評されているゆえんは、この「街に行く」という言葉に表われているのではないだろうか。
しかし一方で、街は当然ながら変化し続ける。筆者らが大学・大学院時代を過ごした6年間にも多くの店舗が入れ替わり、下通アーケードの一部改修工事が行なわれ、九州新幹線開通にともなう熊本駅周辺整備事業が開始された。そして近い将来、熊本市のグランドデザインは大きく変化する事が予想される。ここ2年に限って見ても、下通アーケードのコンペ、熊本アートポリス主導の熊本駅東口広場のプロポーザル、熊本駅西口広場設計競技が行なわれ、下通アーケードに上窪哲也氏、熊本駅東口広場に西沢立衛氏、熊本西口広場に佐藤光彦氏が設計者に選出され、設計が進んでいる。それに加えて、一級河川・白川の市街部の河川改修、熊本交通センターの改修、熊本駅周辺整備事業が進行する。これらのハード面の整備と並行して、ソフト面でのまちづくりも近年新しい動きを見せている。例えば熊本城の内堀である坪井川では夏に“精霊流し”、秋には“みずあかり”が行なわれ、今年で4年目になり熊本市の新たな年中行事として市民の間に定着しつつある。このように、熊本市中心市街地では、ハード・ソフト両面から大きく変わろうとしている事が読み取れる。
これほど広範囲に及ぶグランドデザインの変化は、熊本の歴史においても大正以降最大である。これらの大きな変化によって、人々の生活スタイルや行動パターンも変化することが予測される。もしかすると「街に行く」という言葉が指し示す範囲や意味も変わっていくかもしれない。今回は、以上のような現状を踏まえ、変わりゆく熊本の現在の姿を捉えたい。写真は、1)現在の中心市街地である「通町筋周辺」、2)「熊本城周辺」、3)交通結節点であり建替えが決定している「交通センター周辺」、4)新しく熊本市の中心になる可能性のある「熊本駅周辺」に大別し、紹介する。

浜田由美(デザインアソシエーション)、山田裕貴(東京大学大学院)、南部泰博(三輪設計事務所)

 

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